白い花びらと黄色い中心を持つカモミール。その名前を精油売り場で探すと、「ジャーマン」と「ローマン」の二つに出会います。
さらにジャーマンカモミールでは、青い色をした精油も紹介されています。花の見た目だけでは想像しにくい、小瓶の中の世界。学名と抽出法を手がかりに、一つずつ読み解いてみましょう。
ジャーマンカモミールの学名を知る
香料メーカーRobertetの技術資料では、ジャーマンカモミールの学名を Matricaria chamomilla、同義名を Matricaria recutita と記載しています。使用部位は花で、蒸留によって精油を得ると説明されています。Robertetの原料技術資料(PDF)
製品を比べていると、資料ごとに学名の表記が少し違う場合があります。そこで役立つのが、同義名も含めて確認すること。商品名だけでなく植物を示す名前まで読むと、選ぶ対象がはっきりします。
「青い精油」という特徴
NHR Organic Oilsの製品規格では、ジャーマンカモミール精油は、花を水蒸気蒸留して得る、濃い青色の粘性のある液体として紹介されています。成分規格にはカマズレンなども記載されています。NHRの製品規格(PDF)
ここで面白いのは、植物の花の色と、得られた精油の色が同じではないこと。精油を知るときは、香りだけでなく、原料の姿、製法、液体の性状という複数の情報を合わせて見ることができます。
色のある原料を試すときは、机や布に触れないようトレーを用意し、製品に合った少量の試香から始めましょう。白い試香紙なら、香りと見た目を別々に記録する手がかりにもなります。

ローマンカモミールとは、植物名から分ける
| 呼び名 | 確認する学名の例 | 選び方の入口 |
|---|---|---|
| ジャーマンカモミール | Matricaria chamomilla/Matricaria recutita | 花から蒸留される精油と、その製品情報を確認 |
| ローマンカモミール | Chamaemelum nobile/Anthemis nobilis | リンゴを思わせる香調など、個別の香りを確認 |
「カモミール」という共通の名前から入り、学名でそれぞれを見分けると、試香する目的もはっきりします。ローマン種の学名と香りについては、ローマンカモミールの記事で詳しく紹介しています。
精油・CO2抽出物・芳香蒸留水も区別しよう
ジャーマンカモミールという同じ植物名でも、売られている原料の形は一つではありません。蒸留した精油のほか、CO2抽出物や芳香蒸留水もあります。
たとえばAromatics Internationalは、CO2を用いる方法で得た抽出物を、粘りのある半固形の原料として紹介しています。一方、芳香蒸留水は別の製品として販売されています。CO2抽出物の原料情報/芳香蒸留水の製品情報
購入前に「何を、どの方法で得たものか」を確認し、その製品の用途に合わせて選びましょう。同じ植物名でも、使う道具や使い方まで一緒とは限りません。ここがわかると、原料選びがぐっと具体的になります。

試香メモは、名前を詳しく、感想を自由に
試香したら、メモの上段に製品名、学名、抽出法を書き、下段に自分の感想を書いてみてください。上段は後で同じ原料を探すための情報、下段は自分の好みを育てるための言葉です。
感想は「花」「草」「甘さ」「深さ」など、短くて大丈夫。日を変えてローマンカモミールを試すなら、同じ項目で記録すると比べやすくなります。名前の知識と感覚を一枚につなげる、小さな香りの学びです。
植物を一つ知ると、選ぶ楽しみが増える
カモミールを調べることは、学名や抽出法の読み方を身に付ける機会にもなります。その知識は、次に別の精油を選ぶときにも役立ちます。
自分の好みから探すなら、香りの系統ガイドへ。暮らしへ香りを迎える製品を探したい方は、naturaumの公式ショップもご覧ください。
精油や抽出物は製品の用途・使用量に従い、飲用や原液の肌への使用を避けてください。写真は青い精油や原料を知る場面のAI生成イメージで、実際の製品の色や植物種を示す標本写真ではありません。編集更新:2026年9月24日。

