植物の名前がついたオイルを見つけると、その花や葉から油を搾ったように思えるかもしれません。けれど、植物を別の油に浸してつくる素材もあります。それが「浸出油」。インフューズドオイル、マセレーテッドオイルという名前でも出会えます。
つくり方の違いを知ると、成分表を読む時間が少し楽しくなります。今回はカレンデュラを入口に、植物と油の組み合わせを見ていきましょう。
植物を受け止める、ベースの油がある
浸出油は、植物の花や葉などを植物油に浸し、油に移る成分を取り出したものです。主役になる植物だけでなく、それを浸す油も素材の大切な一部になります。
たとえばニールズヤード レメディーズのカレンデュラ浸出油は、マリーゴールドの花をヒマワリ油に浸してつくるものとして案内されています。「カレンデュラ」という名前の奥に、花とヒマワリ油、二つの植物の役割があるのです。カレンデュラ浸出油の製品説明。
商品を比較するときは、何の植物を浸したかと、どの油を使ったかを一組で見てみましょう。植物名だけでは見えなかった、使い心地や原料の特徴を知る手がかりになります。
カレンデュラという花を知る
カレンデュラは、キク科の植物Calendula officinalis。明るいオレンジ色の花を咲かせ、マリーゴールドとも呼ばれます。植物の呼び名には幅があるので、素材を選ぶときは学名も一緒に確認すると丁寧です。ニールズヤードは、自社の庭で育てるカレンデュラや、花を原料にする工程を紹介しています。カレンデュラの植物と原料づくり。
花を眺める楽しみ、乾燥させた素材を知る楽しみ、化粧品の成分表でその名前を見つける楽しみ。同じ植物が違う形で暮らしとつながっていることに気づくと、いつもの日用品にも物語が生まれます。

精油、植物油、浸出油を並べてみると
精油は、蒸留などで得られる植物の揮発性の芳香成分を主体とした素材。香りを学ぶときによく手に取る、小さな瓶の世界です。
植物油は、種子や果実などから得られる油。オリーブの果実油や、ブドウの種子から得るグレープシードオイルなどがあります。
浸出油は、そうした油を使って別の植物素材を浸し、成分を取り出したもの。このようにつくり方で分けると、「オイル」という一語の中にある違いが整理できます。
すべてを香りの強さで比べる必要はありません。浸出油を選ぶときには、植物の種類、ベース油、肌用としての使い方など、原料と用途をつなげて考えると分かりやすくなります。
成分表には、花と油が別々に現れることも
商品名には一つの植物名が大きく書かれていても、成分表ではベースの油と植物エキスが別々に記されていることがあります。「この油が土台で、この花のエキスが組み合わされている」と読むと、名前がぐっと身近になります。
確認したいのは、原料の名前だけでなく、その製品がどう使えるかという案内です。化粧品としてそのまま使う製品なのか、ほかの製品づくりのための原料なのか。用途が分かれば、自分が欲しいものを選びやすくなります。
買う前に、三つの質問を持ってみよう
- 何を楽しみたい?花の原料を知りたい、肌用オイルの質感を選びたいなど、目的を一つ決めます。
- どこで使う?身支度の時間に使うなら、製品に案内された使用部位と方法を確認します。
- どれくらいで使う?開封後の扱いと容量を読み、暮らしの中で使いやすい量を選びます。
原料の知識が増えてきたら、開封日や使ったときの感触も短くメモしておくと便利です。「伸ばしやすかった」「次は小さな容量にしたい」。自分の言葉が、次の日用品選びの案内になります。

完成した日用品の中にも、植物の組み合わせがある
暮らしへ取り入れる方法は、原料を選ぶことから、使い方が決まった完成品を選ぶことまでさまざまです。naturaumの二十四節気のトリートメントオイルは、ホホバ油と精油を組み合わせたボディ用オイル。こちらは今回のカレンデュラ浸出油とはつくり方が異なり、完成品としての香りと質感を楽しめます。
どんな植物が、どんな役割で組み合わされているのか。そんな視点で日用品を選びながら、自分のための回復する時間を育てていきましょう。
土台となる油を選び比べるなら、キャリアオイル辞典・20種類もご覧ください。花の特徴とベース油の特徴を、一緒に読み解く手がかりになります。
あわせて読む:キャリアオイルとは?|精油との違いと、ボディケアで選ぶ三つの視点、芳香蒸留水とは|フローラルウォーターと精油、蒸留から生まれる二つの香り、化粧品の成分表を読む楽しみ|植物の名前から、香りの日用品を選ぶ。

