精油の箱に、小さな文字で書かれたラテン語。そこを読めるようになると、好きな香りの世界にもう一つ入口ができます。名前が似ている植物の違いも、別の店で見つけた一本とのつながりも、少しずつ見えてきます。
すべて暗記する必要はありません。まずは手元の一本から、植物の学名をゆっくり読んでみましょう。
学名は、植物をたどる共通の手がかり
植物の種の学名は、基本的に属名と種小名の組み合わせです。たとえば真正ラベンダーのLavandula angustifoliaでは、Lavandulaが属名、angustifoliaが種小名です。属名の頭文字を大文字にし、二つを組み合わせて植物を示します。キュー王立植物園・植物の名前を学ぶ資料
日本語の商品名に添えられた学名は、植物の情報へ進むための検索の鍵になります。ラベルにある綴りをそのまま写しておくと、海外の資料も探しやすくなります。
似た名前を並べると、違いが見える
ラベンダーとラバンジンを例にすると、真正ラベンダーにはLavandula angustifolia、ラバンジンにはLavandula × intermediaという表記が使われます。ラバンジンは真正ラベンダーとスパイクラベンダーの交雑に由来する植物です。名前の途中の「×」にも意味があります。ケンブリッジ大学植物園・Lavandula
二本を比べるときは、同じ属名があることと、その後の語が違うことを見つけてみてください。香りを試す前に名前を確認し、試した後で印象を書き添えると、文字と感覚が結びつきます。

別の学名が出てきたら、シノニムを調べる
植物を調べていると、以前の資料と現在の資料で学名が違うことがあります。キュー王立植物園のPlants of the World Onlineは、植物の関係について研究が進むことで名前が変わり、古い資料の名前と現在表示される名前が異なる場合があると説明しています。そこで役立つのが、受け入れられている名前と、シノニムとして結びつく名前の情報です。Plants of the World Onlineについて
「綴りが違うから別の植物」と急いで決めず、名前の関係をたどってみましょう。古い本や商品資料を読むときにも、調べる楽しみが増えます。
植物の名前を調べる、短い手順
- ラベルを正確に写す。商品名と学名を別の欄に記録します。
- 植物データベースで探す。学名を入力して、該当する植物のページを開きます。
- 名前の扱いを読む。受け入れられている名前か、別名として掲載されているかを確認します。
- 資料名と確認日を残す。後から同じ情報に戻れるよう、ページのリンクも保存します。
キューのMedicinal Plant Names Servicesでは、植物やハーブ原料の名前から、現在の学名や別名との関係を調べられます。キュー・植物名の検索サービス
精油ノートには、植物名に三つを添える
植物の学名に加えて、使った部位・抽出方法・製品の名前を一緒に残すと、手元の香りをより具体的に表せます。植物そのものの情報と、どの部分をどう加工した製品なのかを、一枚のカードで見られるようにするためです。
カードの上に植物名、中央に葉や花の簡単な絵、下に原料部位と香りの印象。最後に「次は何と比べたいか」を書くと、次の一本を選ぶ楽しみにつながります。植物図鑑に近い、自分だけの香りの索引ができていきます。

知って選ぶ時間も、アロマの楽しみ
naturaumの二十四節気のブレンド精油には、さまざまな植物の香りが重なっています。気になる原料を一つ選び、その植物の名前や姿を調べてから、もう一度香りを楽しんでみませんか。
一度に全部を覚えるより、一つの名前と親しくなる。そんな小さな学びも、自分のペースを取り戻す時間になります。
ラベルから香りを深める読みもの
- 精油ラベルの読み方|学名・抽出部位・原産国から、香りをもっと楽しむ
- ラバンジンとラベンダーの違い|学名からわかる、花とハーブの香りの広がり
- 植物からアロマを学ぶ|花・葉・果皮・樹脂をつなぐ、香りの観察入門
- ディオスコリデスの薬物誌を読む入口|植物の知識が、写本と翻訳で旅した歴史
アイキャッチは、植物を観察し記録する場面を表現したAI生成イメージです。

