シナモンと聞いて思い浮かぶのは、くるりと巻いた茶色いスティックでしょうか。それとも、焼き菓子にふわっと重なる甘いスパイスの香りでしょうか。
精油を選ぶときには、そこにもう一つ面白い視点が加わります。「バーク」と「リーフ」。樹皮と葉という、原料の部位の違いです。名前の後ろの一語を読むだけで、シナモンの香りをもっと具体的に選べるようになります。
バークは樹皮、リーフは葉
Aromatics Internationalの製品情報では、シナモン・バークは樹皮、シナモン・リーフは葉を水蒸気蒸留した精油として紹介されています。両方にCinnamomum verumの植物名が示されていても、採油する部分が異なります。出典:バークの製品情報、リーフの製品情報。
購入するときは「シナモン精油」までで読み終えず、部位まで見てみましょう。以前使ったものを探すときも、バークかリーフかが大切な手がかりになります。
成分表を見ると、部位の違いが具体的になる
同社の公開バッチを見ると、バークのCIB-112では(E)-シンナムアルデヒド58.40%、リーフのCIL-108ではオイゲノール62.44%が、それぞれ最も多い成分として記録されています。これは二つのバッチの実例で、精油ごとに分析表が結びついていることを示すものです。
| 表示 | 原料 | 公開バッチで最も多い成分 |
|---|---|---|
| シナモン・バーク | 樹皮 | (E)-シンナムアルデヒド(CIB-112) |
| シナモン・リーフ | 葉 | オイゲノール(CIL-108) |
ここで面白いのは、同じ植物名だけでは中身の特徴を語りきれないこと。植物名、部位、バッチという順番で読むと、一つの精油への理解が深まります。

香りの説明では、甘さと輪郭に注目する
出典のバークは力強く甘いスパイス香、リーフは甘さと木の印象を持ち、バークより柔らかい香りとして紹介されています。実際に試香できるときは、まず甘さ、次にスパイスの輪郭、最後に木を思わせる部分へ意識を向けてみてください。
「お菓子に似ている」という最初の感想から、「甘さが丸い」「輪郭がくっきりしている」と一歩進むと、自分の好きなシナモンらしさが見つかります。香りを比較する日は、試香した製品名と部位を一緒に残しましょう。
クローブと並べて、スパイス香の幅を知る
シナモンを知ったら、クローブとの違いを考えるのも楽しい学び方です。どちらも甘いスパイスの印象を持つものの、原料の植物や部位は異なります。
スパイスの姿を並べて観察するなら、巻いた樹皮と、小さな釘のようなつぼみ。形の違いを見てから精油の説明を読むと、植物の記憶が残りやすくなります。詳しくはクローブのつぼみと葉の記事へ。

使い方は、用途が決まった製品から選ぶ
シナモンの香りを暮らしに取り入れたいときは、用途が明記された室内用の香りや、メーカーが調整したブレンドを選ぶ方法があります。原料を知ったうえで完成品を使うと、香りの背景を楽しみながら日常に迎えられます。
単品のシナモン精油は部位ごとの使用条件を確認し、表示された方法で扱います。ここでは肌やお風呂へ加える手作りレシピではなく、香りを知り、製品を選ぶ入口として紹介しています。料理の香りを楽しむときには、食用のシナモンを選んでください。
季節のブレンドを、ひとつの原料から読む
naturaumの二十四節気のブレンド精油には、シナモンバークが原料の一つとして含まれています。「バーク」の意味がわかると、原料欄の短い言葉から植物の姿を思い浮かべられるようになります。
布の色を変え、照明を選び、好きな香りを迎える。季節に合わせた小さな選択が、いつもの部屋に新しい楽しみをつくります。自分の時間を取り戻すための、香りの衣替えをしてみませんか。
編集:naturaum|2026年9月24日。写真はシナモンスティックのイメージで、原料の植物種を特定するものではありません。精油は飲用・原液の皮膚塗布に用いず、部位と製品ごとの用途・注意表示を確認してお楽しみください。

