レモンの香りと前向きな気分|56人を対象にした研究から見えること

青空を背景に枝に実る黄色いレモンと緑の葉のイメージ

レモンの香りから、明るい朝やみずみずしい果実を思い浮かべたことはありますか。香りと気分のつながりは、研究でも調べられています。ここでは、健康な男女56人に参加してもらい、レモン、ラベンダー、水の条件を比較した研究を見てみましょう。

レモンの条件で、ポジティブな気分が高まった

2008年に発表されたKiecolt-Glaserらの研究では、レモンの香りを嗅いだ条件で、水やラベンダーの条件よりポジティブな気分が高まる結果が報告されました。本人による気分の回答に加え、複数の方法で気分に関する反応を調べています。出典:Olfactory influences on mood and autonomic, endocrine, and immune function。

同じ人が、三つの条件を体験

参加者は別々の日に三回来訪し、レモン、ラベンダー、水の各条件を体験しました。実験では冷水に手を入れる課題の前後も測定し、香りの条件による違いを比較しています。また、事前に香りの説明を受けるかどうかも検討し、レモンに関する気分の結果は、期待やアロマの利用経験にかかわらず見られたと報告されています。

研究の項目 内容
対象 健康な男女56人
比較 レモン、ラベンダー、水
参加方法 別の日に三つの条件を体験
この記事で取り上げる結果 レモン条件でのポジティブな気分の上昇
レモン、ラベンダー、水を別々に並べた比較条件の説明イメージ
研究で比較した三つの条件を視覚的に表したイメージ(AI生成)。実験の器具や使用物を再現したものではありません。

「気分」をいくつもの角度から見る面白さ

私たちは日常で、「明るい気分」「落ち着いた感じ」「今日は活動的」と、さまざまな言葉を使います。研究では、その感覚を比較できる形にするため、質問や課題を用います。香りという見えないものと、気分という形のないものを、観察できる結果へつなぐ工夫が面白いところです。

論文を読むときは、香りの名前とともに、どの気分の項目を調べたのかへ目を向けてみましょう。今回の読みどころは、実験中に測定されたポジティブな気分です。研究の対象と場面を一緒に知ることで、結果の意味が具体的になります。

香りの印象を、自分の言葉でも残してみる

研究への関心を、香りを観察する楽しみへつなげてみませんか。精油を試すときに、「明るい」「青い」「花のよう」「木のよう」と第一印象を一言。そのあと、どんな場面で楽しみたいかを書いてみます。

香りそのものの印象と、そのときの自分の気分を別の欄へ書く方法もあります。二つを分けると、「好きな香りの特徴」と「その日の過ごし方」の両方を振り返れます。自分の言葉が増えていくことも、アロマを学ぶ楽しみの一つです。

葉と太陽の印を付けた二枚のカードに香りの印象と気分を分けて記録する手元
香りそのものの印象と、その日の気分を別々に残す編集提案のイメージ(AI生成)。研究用の質問票ではありません。

研究を入り口に、香りへの好奇心を広げる

同じ香りを別の人はどう感じるのだろう。香りを知っているときと、初めて出会うときでは印象が変わるだろうか。研究を一つ読むと、次の問いが生まれます。日々の小さな「いい香り」に目を向けながら、植物と感覚の世界を楽しんでいきましょう。

研究情報

Kiecolt-Glaser JKほか(2008)『Psychoneuroendocrinology』33巻3号、328–339頁。DOI:10.1016/j.psyneuen.2007.11.015。論文本文を読む。

ほかの研究も読む:気分・睡眠・認知課題を調べた香りの研究ガイド

本記事は研究で観察された気分に関する結果の紹介です。画像は研究参加者・実験・使用製品を写したものではありません。編集:naturaum/2026年9月24日。