お店で嗅いだ花の香りを、家でも楽しみたい。そう思って同じ名前の精油を開けたら、印象が少し違った。香り好きなら、そんな出会いも楽しみの一つです。花そのものと、花からつくられた香料。それぞれに目を向けると、植物の表情がいくつも見えてきます。
まず、何から採った香りかを確かめる
商品名が植物の名前でも、抽出に使うのは花とは限りません。花、葉、果皮、根など、ラベルの「抽出部位」が手がかりになります。例えばオリスの香料は、アイリスの花そのものではなく根茎に由来します。「花の姿を思い浮かべていたら、原料は足元にあった」。そんな発見も、香料を学ぶ面白さです。
採り出す方法も、香りの背景になる
蒸留して得る精油と、溶剤抽出などを経て得るアブソリュートは、製法が異なります。バラのように、同じ植物の香料に複数の製法があるものも。「ローズ」と書かれた二本を比べるときは、植物名、産地、抽出法を並べてみましょう。どちらが本物かという選び方より、どんな表情が好きかを探す手がかりになります。

生花は、花のある場所ごと楽しむ
一輪挿しに生けた花を、朝と夕方に眺める。部屋に入ったときの印象と、近くに座ったときの印象を書き留める。生花を飾る楽しみには、茎の線、花の開き方、水を替える時間も含まれます。花の種類に合った手入れをしながら、飾った日からの変化を味わってみてください。
ドライフラワーは、色と形も主役に
乾燥した花は、生花と同じ香りが続くことを目標にせず、落ち着いた色や形を楽しむ飾り方もできます。香りを足したいときは、素材に直接精油を垂らすより、そばに用途の合った芳香の道具を別に置くと、花と香りをそれぞれ手入れしやすくなります。火を使う道具からは十分に離して飾りましょう。

同じ名前の二つを、ノートでつなぐ
生花を見たページと、精油を試したページに同じ植物名を書いておきます。「花は軽やかに感じた」「香料は甘い余韻が長かった」など、自分の印象で十分。異なる表情を知るほど、花を贈る日も、部屋の香りを選ぶ日も、選択肢が増えていきます。
素材の参考:IFF LMR「Orris Absolute Italy」。植物ごとの抽出方法は、次の関連記事でも紹介しています。

